肩こりの人の特徴
次に、肩こりを実際に感じている人の身体の状態を診ていきたいと思います。
恐らく、あなたもイメージする肩こりの方はこのような状態の人ではないでしょうか?
人間の頭の重さは,成人で5〜6キログラムほどです。
これは,ボーリングの球と同じくらいの重さです。
頭が体の真上に乗っていれば、頭の重さは体全体でバランスよく支えられます。
ところが、スマホなどを見ようとして頭を前に傾けると、首や肩にかかる負荷は一気に増大します。
Newton
右の「頭を前に傾けた姿勢」の人は身近でよく見かけますね。
私もスマホをみている時はちょくちょくこんな姿勢になっておりますが。。汗
また、よく診ていただくと、肩甲骨も前に出て胸の位置が下に下がっている事も診てとれます。
っと言うことは、肩甲骨の外転と胸椎の後弯(円背)も作られていることがここから理解できます。
更に外転した肩甲骨は後弯した胸郭に沿うように若干挙上し、前傾していることがわかります。
つまり、肩こりの人の特徴を簡単に挙げると
・頭部の前方移動
・肩甲骨の外転、前傾
・胸椎の後弯
と言うことがいえますね。
では、実際にこの特徴と僧帽筋、肩甲挙筋の機能解剖を照らし合わせてみましょう。
肩こりの人と僧帽筋と肩甲挙筋と
まずは僧帽筋を診てみましょう。
あまり、普段僧帽筋をこのような視点から捉えることはないかと思いますが、実はこれが非常に重要です。
こうやって改めてよく僧帽筋上部を観察すると、筋線維の走行は前から後ろへ走っていることがわかると思います。
僧帽筋の起始停止は鎖骨から後頭骨です。
これを考えても明らかに前から後ろに伸びていることが理解できますね。
っと言うことは、この筋肉が凝り固まるとどうなるか?
それは、
肩甲骨の内転、後傾
を作ることになります。
あれ?ここで肩こりの人の特徴と僧帽筋の特徴が一致しないことがわかります。
肩こりの人は
肩甲骨の外転、前傾
でしたので真逆になります。
だから、僧帽筋は肩こりの原因筋ではないのです。
では、肩甲挙筋を次に見てみましょう。
肩甲挙筋もあまりこの視点で捉えることはないかと思います。
ただ、こうやってみると、明らかにこの筋肉は肩甲骨を後方から前方へ引き上げるように収縮しますよね。
明らかに肩甲骨の前傾を誘発します。
外転の動きは作りませんが、肩こり人の特徴である胸椎後弯の際の胸郭に沿うように前方へ前傾しながら肩甲骨が移動しているのは、この肩甲挙筋によるものであり、この肩甲挙筋が収縮して硬くなることで、肩こりを誘発すると考えて良いでしょう。
姿勢や寝方も原因