
野口晴哉先生の言葉には、いつも人の体と心を深く見つめる温かさがあります。
先生が語られた「風邪は病気ではなく、体が自らを清めるための働きである」という考え方は、現代の私たちが少し忘れかけている“人間のいのちの力”を思い出させてくれます。
整体師として日々お客様と向き合う中で、私も同じことを感じます。
体には本来、自分で整う力が備わっており、それを発揮できるように導いてあげるのが整体の役目です。
症状を抑えるのではなく、体が何を伝えたいのかを聴き取ること。これが自然治癒力を引き出す第一歩です。
さくら整体院では、その力を高めるために「巡り」をとても大切にしています。
血液やリンパ、呼吸、体温、心の流れ。これらはすべてつながっていて、どれか一つが滞ると全体の調和が崩れてしまいます。
巡りが良くなると、冷えやむくみが取れ、代謝が上がり、眠りの質も変わっていきます。そして何より、心が軽くなります。
体が温まって呼吸が深くなり、姿勢が自然に伸びる。
それだけで内臓の位置が整い、血の巡りがスムーズになり、自然治癒力が働きやすくなるのです。
これは特別なことではなく、もともと私たちの体に備わっている知恵です。
整体はその知恵を呼び覚ますための“きっかけ”にすぎません。
風邪をひいたとき、発熱やだるさを「悪いもの」と感じてしまいがちですが、それもまた体が毒素を外に出そうとする浄化のプロセスです。
つまり、自然治癒力とは「体が自分を信じている力」。
整体師の仕事は、その信頼を邪魔しないこと。
体の声を静かに聴き、流れを整え、めぐりを取り戻すお手伝いをすることです。
さくら整体院では、施術を通して「人が本来もつ力」に光を当てています。
頑張りすぎている体をほぐし、呼吸を深め、血の流れを促しながら、内側から温めていく。
それは単に姿勢を整えることではなく、「いのちの巡り」を整えること。
そしてその巡りこそが、自然治癒力の根っこにあるものだと私は思います。
野口晴哉先生の教えは、今も私の整体の軸に息づいています。
人が元気を取り戻すとは、外から治すことではなく、内側から輝きを取り戻すこと。
その瞬間に立ち会えることが、整体師として何よりの喜びです。






