更年期に乱れやすい「自律神経」を整える
整体でできる3つのこと
リンパ療法の視点を加えて(さくらエステ)
更年期に入ると、「なんとなくの不調」を感じやすくなります。その正体のひとつが、自律神経の乱れです。自律神経とは、私たちの意思とは無関係に働く神経で、呼吸・体温調節・血圧・ホルモン分泌・内臓の動き・感情のバランスなどをコントロールしています。
更年期は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が大きく変化する時期です。ホルモンは脳の視床下部と下垂体を経て卵巣に指令を出して分泌されますが、エストロゲンが急激に減少すると、このホルモンの指令システムが混乱します。その結果、視床下部が過剰に働き、自律神経のバランスも崩れてしまうのです。
自律神経が乱れると、以下のような症状が現れやすくなります。
・のぼせ・ほてり・発汗
・動悸・めまい・息切れ
・不眠・疲れが取れない
・便秘や下痢などの消化器症状
・気分の浮き沈み・不安感
さらに、これらの不調が続くことで、美容面でも「むくみ」「肌のくすみ」「顔色の悪化」「痩せにくい」「冷え」などのトラブルを招くこともあります。
こうした不調を和らげるために、整体では“自律神経に働きかける3つのアプローチ”を行います。
① 呼吸を整える(横隔膜と肋骨の調整)
深い呼吸は、副交感神経(リラックス)を優位にする働きがあります。肋骨が硬くなると呼吸が浅くなり、常に交感神経(緊張)が優位になってしまいます。巻き肩や猫背を改善し、胸郭を広げることで、自然と深い呼吸ができるようになり、自律神経の安定につながります。
② 背骨を整える(神経の通り道をケア)
背骨の中には自律神経の中枢が並んでいます。特に胸椎5〜9番のあたりは、自律神経の働きに影響を及ぼす重要なポイント。肩甲骨周りや背中の筋緊張をゆるめ、背骨の可動域を高めることで、神経伝達がスムーズになり、自律神経の働きが安定しやすくなります。
③ 頭蓋骨を整える(脳と神経のリズムを調整)
脳の視床下部と下垂体は、自律神経とホルモンバランスの両方を司っています。頭の骨の動き(頭蓋リズム)が滞ると、脳の圧迫や血流障害が起こりやすくなります。優しく頭部を整えることで、脳脊髄液の循環が促され、神経の機能が本来の状態に戻りやすくなります。
さらに、ここにリンパ療法の視点を加えると、効果がより深まります。
自律神経とリンパは密接に関係しており、交感神経が優位なときは血管やリンパ管が収縮しやすく、リンパの流れが悪くなります。逆に、副交感神経が優位になるとリンパ管が開き、老廃物や余分な水分が排出されやすくなります。
整体施術で自律神経を整えた状態で、リンパの流れに沿って丁寧に流すと、次のような相乗効果が期待できます。
・むくみの解消
・顔色が明るくなる
・筋肉の緊張がとれやすくなる
・ホルモン分泌が促進される
・免疫力が向上する
特に鎖骨周辺、首筋、耳下腺、脇の下、腹部、足の付け根(鼠径部)などのリンパ節は、自律神経の支配を受けている部位でもあり、美容整体の中で非常に重要な施術ポイントです。
まとめとして、更年期の不調はホルモンと自律神経の乱れが複雑に絡み合って起こっています。
整体では、呼吸・背骨・頭蓋という自律神経の柱を整えつつ、リンパの流れを促進することで、体全体の“内なるバランス”を整えていくことができます。
「なんとなく不調」を感じるその前に、身体の声に耳を傾け、根本から整えるケアを取り入れてみてはいかがでしょうか?